第454回:退化
引退して1年とちょっとが経ち、僕の身体は着実に普通の人間へと変わりつつあるようだ。
この前、会社の先輩の企画するボーリング大会に参加させてもらってそれを痛感した。仕事終わりに軽く飲んだ後のボーリングだったし、ボーリングの最中も飲んでいたし、慣れないメンバーで多少気が張っていたし、5人1レーン(僕にとっては多人数で上手くリズムに乗れない)だったし・・・並べようと思えば、それっぽい言い訳を並べることはできるが、まさか2ゲーム投げたくらいで手が筋肉痛になるとは。次の日パソコンを打っていて、なんだか手が怠いなとは感じたものの、その原因がボーリングかもしれないということに思い当たるのに半日以上かかるほど、僕にとって信じられないほどの筋力退化である。
ではいったい今までどんなボーリングをしてきたのか、の話をする。
現役の頃、特に実業団に入ってからは、柔道部の仲間と、各レーンにだいたい2人ずつ配置して、1回10ゲームは投げた。勝負というより練習として行った時などは、1人1レーン占領して30ゲーム投げたこともある。レーン数を確保するため、たいてい夜遅い時間に、もちろん投げ放題コースで、気が済むまで投げ狂うのが僕にとっての"普通"だった。それくらい投げないと不完全燃焼だから、体力的に付いてこられない一般人とボーリングに行くことなどほとんど無かった。ラウンドワンのポイントを貯めて、マイシューズだって買った。要するに、ボーリングに対してもアスリートとして真剣に向き合っていたのだ。
そんな僕が2ゲームごときで疲労を感じるとは。この衝撃が分かってもらえただろうか。確かに柔道をやめてから、普通の筋トレはしていても、前腕や手(握力)をわざわざ鍛えたりはしていない。きっとそのせいだ。また鍛え直しだ。