第484回:自転車の世代交代

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昨日、自転車を買い替えた。それまで乗っていた自転車にはずいぶんとお世話になった。大学4年時、寮を出たタイミングで買った。6年と少し乗ったことになる。僕にとっては初めてのちゃんとした自転車だった。太いタイヤとフレームの、いかにも超級の人が乗ってます、といった厳ついやつだった。

たくさん乗るのだけれど、だんだん日々のケアが疎かになって、最後の1年間くらいは間違いなくボロボロの状態だった。握り続けたグリップには最早凸凹がなくなり汚らしくツルツルしていた。サスペンションは効かないし、ギアも壊れていた。チェーンは余すところなく錆びていて漕ぐたびにギシギシと派手な音をたてた。それでも何とか使い続けてきたやつを、いよいよ乗り換える決心をさせたトドメは、ブレーキが派手にぶっ壊れたことだ。何かの拍子に、グリップからのワイヤーが切れた上に、タイヤの上にコの字状に掛かっているブレーキそのものが、ハの字状に脱臼していた。

いちおう自転車屋のお兄さんには、「修理するとしたら・・・」という方向で話を持っていってはみた。が、彼は数秒そのオンボロを眺めてから「この自転車にはけっこう思い入れがある感じですか?」と聞いてきた。彼が言わんとしていることがその一言でだいたい分かった。「あ、いや・・・」と僕が答えると、彼は手の施しようがない状態で病院に担ぎ込まれた患者を前にしたお医者さんみたいな顔をしながら、申し訳なさそうに買い替えを提案してきた。なんだか僕の方が申し訳ない気持ちになった。

 

買い替えたのは、その店に置いてあった黒のマウンテンバイク。またしてもタイヤの太い厳ついやつ。価格は先代よりも安いものにした。またしても数年でボロボロにしてしまいそうだからだ。いちおう長持ちさせるために自分で差せるオイルも買ってみた。雨が降った後はそれを使っておくと良いらしい。あとは新車だから、盗まれないように細心の注意を払わなければいけない。(先代は、間違っても盗みたくなるような状態ではなかったからあまり心配が要らなかったのだ。)

 

余談だが、2年前くらいから簿記やファイナンスの勉強をしているせいで、こんな風に多少値の張る買い物をすると、償却期間とか考えたくなる自分がいる。先代は6年償却で残存簿価0円、定額法として毎期1万円弱の減価償却費を計上していた訳だ。意外と安くない。次も同じ期間くらい使って、毎期の償却費を5-6千円くらいにしたいと考えている。