第492回:非難の仕方

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家にいる時間が長くなるに伴って、テレビのワイドショーやスマホのニュースアプリなんかをよく見るようになった。それを観ていて思うのは、特に最近になってかもしれないけれど、「○○さんの〇〇行動に非難殺到」といった記事や話題が実に多いこと。説明するまでもないと思うけれど、有名人や政治家がこんな発言をした、とかこんな施策を打ち出した、とかそういうやつだ。

僕だって、どちらかと言えば斜に構えた見方をする人間だし、誰かを非難したくなったり、そもそも嫌いな人だったらその一挙手一投足にケチをつけたくなる気持ちは分かるのだけれど、世間のそれは少し軽はずみ過ぎやしないかと思う。ほんの少しでも付け入る隙を見つけては、ここぞとばかりに、また自分はこんなに正しいことを言えるのだと誇示するかのように、叩き回る風潮は観ていて気持ちのいいものではない。

本来、何かを非難するのは決して悪いことではない。特に強くなり過ぎた権力に対する対抗勢力は絶対に必要だ。しかし非難するには、相応の知識と根拠、さらには非難の対象と戦う覚悟がないとダメだと思う。ネットやらなんやらで、匿名で上っ面を非難するのは、それらを何一つ満たしていないただの自己満足のように見える。

こんな状況になって、ほとんどの人が暇とストレスを持て余している。と同時に、ほとんどの人が何とか事態を収束させようと頑張っている。能力不足や考え方の違いで、頑張る方向が少し違うと思うこともあるけれど、もう少し色んなものに対して共感と応援の気持ちを持って、一緒に頑張ろうと言いたい、と個人的に思うこの頃である。

稚拙で雑、かつ大して中身のないブログを10年以上書いてきている僕が言えたことではないかもしれないけれどね。