第508回:カッパの河流れ①

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 前回の記事にも少し関連するのだが、僕は中学を卒業して高校の寮に入るまでの約15年間、青梅に住んでいた。今も実家はそこである。青梅の中でも僕の家があ場所は、位置的にも環境的に奥多摩に近く、最寄駅は宮ノ平という青梅駅から奥多摩線一つ目の駅だ。いわゆる田舎の駅で、昔から改札のない無人駅。最寄りのコンビニまでは歩いて15分くらいかかるし、コンビニの駐車場はやたら広いし、要するに東京都は思えないThe田舎まさに石原元都知事の言った「東京のチベット」である

渓谷を挟んだの斜面に家々がへばりついているような地域で、実家から下っていけば川だし、登っていけば山それぞれ1~2分の距離である。コンビニよりもだいぶお手軽だ。そんな場所だからとにかく周りは坂ばかり。平坦な道や地面を探す方が難しい。僕の家は道路から40段ほどの階段を上ったところにあるし、その道路もやはり坂道。 文字通りどこに行くのも坂を上り下りしなくてはならない。こんな環境が少なからず僕の足腰に影響を与えてくれたのはまず間違いない。

下を流れる川は多摩川だ。多摩川と聞くと多くの人が二子玉とか東急多摩川線あたりの多摩川を想像するだろう。川幅も河原も広くて平で流れも穏やか、河川敷をジジババが散歩していて、 河原にはゴルフの打ちっぱなしやら野球場やらBBQ場なんかがある多摩川を。しかし当然ながら僕の故郷はそれの遥か上流なわけで、まさしくV字谷の底を勢いよく流れる美しい渓谷だ。奥多摩の最上流滝のように水が下って行くようなそれではなく、ちょうど人が泳いだり流されたり、岩から飛び込んだりするのにまったくちょいどいいのが我が家付近の多摩川なのである。