第511回:映画「テネット」
先週の土曜日、映画“テネット”を観た。川崎ラゾーナプラザの中にある109シネマに、レイトショーの時間、一人で、カーシェアを使って観に行った。
思えば、映画館に映画を観に行くなんてずいぶん久しぶりだ。以前はよくこんな風に一人でレイトショーを観に行ったもんだけど、それが許されない時代だったわけで。まだ決して油断できる状況ではないけれど、昔の平穏を一つ取り戻した気がして少し嬉しかった。
映画の感想を一言で言うと「よく分からなかった」だ。CMでカッコよく謳われているように、ごく簡単に言えば、時間が通常通り進んでいる人と逆行している人(モノ)がいて、世界平和のためにドンパチ戦うお話だ。SF好きとして、設定自体は興味を引く。面白そうだ。ところがいざ観ても、何がどうなって逆行するのか、そもそも逆行してるってどういうことなのか、何一つ分からなかった。僕はSFって「ありそうでなさそうな、けどあったらどうなるんだろう」と色々考えてしまうような状況設定こそが命だと思っている。その設定がよく分からないもんだから、観ている最中も観終わった後も、どこか居心地の悪い混乱しかなかった。
本作の感想として「もう一回観たい」というのをよく聞く。実際に今回僕が観た後、カップルが「もう一回観たいな!確かめたいことがいくつかある。」みたいなことを言っていた。時間が逆行するという設定が故に、映画の初めの頃のアレコレが後半の伏線になってたりする的なノリで(それさえよく分からないけど)それを確認したいということなんだろう。僕はたぶん、何回見ても繋がらないところは繋がらなそうだし、結局よく分からないままで終わるだろうなと思う。
ちなみに一つポジティブな感想を残しておくと、ちゃんと正方向に進んでいるグループと逆行しているグループが混在する映像は面白かった。けどまぁ総じて僕にはよく分からなかった。