第541回:過度

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何事も適度が大事なのは分かっているのだが、自分にとってどのレベルが適度なのかを見極めるのは結構難しかったりする。僕にとって、適度な運動とは?これが意外と難しい。

最近ご縁があって、ちゃんとしたトレーナーに付いてもらってウエイトトレーニング(以下、WT)をする機会があった。僕はトレーナー付きのWTというものをほとんど経験したことがない。そもそも柔道競技において、ちゃんとWTをすることが重要だと認められ始めたのはここ10年くらいだし(それまで「柔道のパワーは柔道でしか身につかない」という悍ましい根性論・精神論が業界の隅々まで浸透していたのだ)、その10年くらい前、僕はちゃんとしたスポーツ大学に所属しておらず、トレーナーさんなんて周りにいなかった。実業団も、専門のトレーナーを雇って、という考えのチームでは無かったから、結局機会がなかったのだ。要するに僕は今まで、ずーーーっと一人でWTをしてきた。だから引退した後にちゃんとしたトレーナーさんにWTを見てもらうなんて、なんだか皮肉にもならない苦笑話であるが、とにかくそういう機会があった。

そんな僕だからウキウキ参上して、よく分からないなぁと思っている動作や、何故か筋肉痛にならないんだよなぁと思っている部位の鍛え方など、ここぞとばかりに色々教えて貰った。教えてもらうと、一人でのWTの時も今まで以上に張り切って、教わったことを片っ端から試してみたくなる。それが昨日。

なんだか今朝から右手首を動かすと痛い。腱鞘炎気味だ。慣れない動作で、必要以上にグリップに力が入っていたと思われる。日常生活には支障はないのだけれど、引退して4年も経つ人間がトレーニングを張り切りすぎて腱鞘炎なんて、なんとも間抜けな話である。

もうさほど若くもないのだから、何よりもうアスリートではないのだから、そろそろ適度な運動ができるようにならないといけないな、と思う。