第543回:人生観は様々

Pocket

ある休日、最近子供が生まれたという友人宅を訪ねた。人生の各段階にそれぞれいつも数人、親友と言っていい友達がいるのだが(少なくとも僕は親友だと思っているのだが)、その中の一人、同い歳の女友達だ。彼女の旦那さんも同じ歳ということもあって、昔からちょいちょい夫婦と遊んだりもしていた。その二人の間の子供が生まれたのだから、挨拶くらいしておこうというイベントである。

姉貴の子供が生まれた時もそうだったけど、僕は赤ん坊に触れるのが苦手だ。僕みたいな人間が変に触ると壊れてしまいそうだから。さらに身も蓋もない話をすれば、壊してしまいそうなリスクを冒してまで、わざわざひとの子供を抱きたいと思えない。その親友の赤ん坊も、遠くからお顔を拝見、一言挨拶をして、「ウチの子は世界一可愛い」というコメントに適当に相槌を打つ。それでも、赤ん坊はさておき、オムツを替えたりミルクを飲ませたりする彼女らの姿によく分からない感動を覚える。こいつもちゃんと親やってるんだなぁ、つい最近まで一緒になってバカなことばかりやっていたのになぁ、と。

最近他にも、周りで子供が生まれた的なニュースをよく聞くようになった。2、3年くらいに前に結婚ラッシュがあったから、その連中のちょうど良い頃合いなのだろう。

「同年代の友人達が家族を築いてく。人生観は様々、そう誰もが知ってる。」

とMr.Childrenが歌っていたけれど、出産のニュースを耳にしたり、その赤ん坊に挨拶したりすると、まさしくそんな気分になる。つい最近まで、こんな気持ちは知らなかった。僕もそれなりに歳をとったのだ。