第550回:逃げ出したい場面②
先週は、前回のブログにも書いたように免許証の更新に鮫洲の運転試験場に出向いた。ブルー免許証への更新のため1時間の講習を受けたわけなのだが、その説明をして下さった講師のオジさんのズボンのチャックが全開だった。そのことに講習が始まって15分くらいで気が付いてしまったせいで、そこから45分は僕にとってとても居心地が悪い時間になった。教えてあげるべきか、見過ごすべきか?他のみんなは気がついちゃってるのか?なんで僕がそんなに悩まなくちゃならないのかもよく分からないけれど、僕なりに真剣に悩んだ末、講習が終わって受講生みんなが退出した後にコッソリ教えてあげようと腹を決めた。後半30分のビデオを見終わり、部屋に電気がついて、「退出していい」アナウンスと同時に受講生はそれぞれに片付けをして教室を後にしていく。僕は必要以上にゆっくりと後片付けをして、みんながいなくなるのを待つ。しばらくすると、僕の他にもう一人が教室に残った。彼はツカツカと講師のオジさんに近づいていく。「まさか、彼も教えてあげようとしているのか?」と聞き耳を立てていると、「ちょっと質問してもいいですか?」と講義内容についての質問をし始めた。なんだ、ただの熱心なヤツか、しかしこれは間が悪すぎるぜ・・・。僕にとっては長い1、2分を耐え、その熱心なヤツの質問が終わって教室を出て行くタイミングで、ササッと講師のオジさんに近づいて「開いてますよ」と小声で言った。それに対する彼の表情は見ないでおいた。あまりにも気まずいから。「わざわざ、ありがとうございます」という言葉を背中に受けながら、逃げるように教室を出た。
なんだかここ半年くらい、なかなか頻繁に気まずい場面に出くわしているようだ。嫌だな。そういうことを気にしないタイプの人間になりたいものだ。無理なんだけど。