第552回:大人の健康診断②
次に胃検査である。バリウムを飲んで胃を膨らましてから、上下左右に360度回転する台の上で色々な格好をさせられながら撮影されるというイベントだ。数年前から30歳以上の会社の先輩たちから「バリウム飲んでからゲップ我慢するのがしんどい」とか「検査後に飲む下剤のせいでその日は仕事にならん」とか散々聞かされていた僕は、これに関しても多少の緊張感を持って臨んだ。検査室に入ると早速バリウムと発泡剤を飲まされた。バリウムはラムネのような少し甘い味がした。特に苦はなかった。診断前の半日何も食べていなかったから、空腹の中でお腹が少し膨れるような感覚があった。ゲップは我慢しろと言われて台の上に乗るも、ゲップが出るような感覚もなかった。
台がグルグルする中で考えたことは「果たして僕の胃は、今飲んだ発泡剤で十分に膨らんだんだろうか?」ということ。僕は一度の食事で米3合を詰め込める胃袋を持っている。つまり一般的な人の2〜3倍は膨らむのではないだろうか。それが小さな紙コップ1杯の薬ごときで目いっぱいに膨らむとは考えにくい。だからゲップも出そうにないのではないか。そんなことを考えているうちに撮影は終わり、今度は下剤を渡された。二錠渡されて、普段飲み慣れていない場合は1錠にしておけと言われた。普段飲み慣れている人間がいるのか?死ぬほど減量している時くらいでは?と思ったが、そうか便秘云々だなとすぐに気がつけたから、追加で質問はしないでおいた。結局、忠告をちゃんと守って1錠だけ飲み、さらにバリウムを出すためにしっかりご飯を食べるようにというアドバイスから、昼はご飯おかわり自由の定食屋に行って死ぬほど米を食ってやった。
そのほかの検査項目は、例年と同じようなコメントをもらって終わった。
「BMIは高いけど、アスリート的なやつだね」
「激しい運動をしていたからか、脈が遅いね」
「昔の肺炎で肺に影があるね」だ。
身長は数ミリ伸びて、体重は2kg減った(僕からすれば2kgは誤差だ)。気になるのは視力が落ちてきていること。会社のPCがノートになってから、落ちが止まらない。ぼちぼちレーシックもありかなぁなどと思ったりもする。
とりあえず30歳の僕も、十分に健康である。