第553回:ワクチン接種

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今月初め、ワクチン接種をした。ありがたいことに、職域接種で至極簡単な手続きを経て、勝手知ったる職場での接種予約を取ることができた。高齢者を除いた周りの話を聞くと、ニュースの通り「なかなか予約が取れない」とか「そもそも若い年代の接種受付が始まっていない」ということだから、つくづく自分の環境に感謝である。

実際の接種は実にスムーズだった。受付で検温され、事前に記入した問診票を提出し、それを元にお医者さんからいくつか質問をされ、”接種OK”をもらったらプスッと一瞬で終わる。筋肉注射だからなのか、注射の痛みはほとんどない。チクッとも感じなかった。痛くないに越したことはないのだが、このワクチン接種の持つ意味に対して、あまりにもアッサリしていて肩透かしを食らったような気分になった。注射後15分ほど経過観察のために会場で待機した後そのまま解放される。色々なジャンルのイベントなんかと並べても、近年稀に見るスピーディで効率的な運用だった。解放されてエレベーターで自分の執務フロアに上がった時は、自分が少し強くなったような気がした。

あまりにもキツくて痛い競技に20年間も浸かっていた僕は、当然そういうものに対する耐性が強い。だから今回「接種後に腕が痛くなったか?」という質問に答えるのが難しい。僕の感覚として正直に言わせてもらえるならば、大して痛くなかった。肩の三角筋の筋のうち1本だけ筋肉痛かなぁという程度だ。熱なんて出る気配すら無かったし、その他体調に違和感も感じなかった。流石にその日は仕事だけして夜は大人しくしておいたものの、次の日の朝からはいつも通りガッツリ走り込んだ。

そんなもんだから、ニュースやら周りの話やらで耳に入ってくる、腕が痛くて会社を休むとか「マジか」と思ってしまうわけだ。人の痛みのわからない人間、僕の悪いところだ。