第606回:老い①

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9月中旬は、慶應大学の練習にお邪魔してきた。この日の練習は「先輩稽古」なる練習で、要はOBOG達が気軽に参加しても良い日だった。別に普通の日にフラッと道場に立ち寄って、単なる出稽古として練習に参加させてもらっても良いんだけど、そうやって「来ていいよ」とオフィシャルに言ってもらえるとやはり行ってみようかなという気になるものだ。尖っていた現役の頃は大して練習相手にもならないOBに接待するのが面倒くさいなと思っていたけれど、僕も歳をとった。

コロナ禍になってから、感染はもちろん濃厚接触者認定を受けないためにメッキリ柔道離れが進んでしまった僕は、こんな風にちゃんとした練習に参加するのは数ヶ月ぶり。こと慶應の練習となるとおそらく3年弱ぶり。何回か練習に行こうとはしたのだが、なぜか僕が行こうとする直前で部員に感染者が出たりするもんだからなんだかんだでコロナ禍で初めての訪問になってしまった。

すっかり柔道から遠ざかってしまった僕にとっての練習に参加するモチベーションは、怪我せずに出来るだけ脂肪を燃やすという不純極まりないもの。もはやプロ柔道家ではない僕にとって柔道などという野蛮極まりないスポーツに身を投じるのは、かなりリスクが高い。プライベートの柔道で怪我でもして、仕事に支障をきたすようなことがあれば、目も当てられない。だから怪我をしないというのは最低条件だ。その上で、少し腹回りの贅肉が増えてきたかなと感じるこの頃、脂肪燃焼という観点では柔道は非常に効率が良い。僕個人的な感覚では、一番痩せる運動だ。そんな訳で、決して強くなるため、とか、後輩指導のためとかではなく、純粋に自分のダイエットがモチベーションなのだ。