第647回:炊飯器の代替わり②

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新しい炊飯器の選定はそこそこ困難だった。ピンからキリまで種類が多すぎるのだ。ネットや家電量販店のスタッフにアレコレ教えてもらったりもするのだが、とにかく難しかった。というのも、最近の家電は機能が多すぎて「果たしてこの機能は僕に必要なんだろうか?」と悩むポイントが多すぎる。炊き上がりの硬さが選べたり、米の銘柄で炊き方を変えられたり、炊き込みご飯やお粥が勝手にできたり、なんなら米を炊く以外の料理ができたり、とにかく機能がいっぱい。そして当然ながらその機能と絡まって、価格も5千円くらいものもから100千円くらいまで幅がある。何度か買い替えはやめようかと思ったくらい難しかった。

しばらく苦戦をした後に、元も子もない「僕は味の違いが分からない男だ」という初心に立ち帰り、”コスパが良さそうなもの”で選択肢を絞って戦った。さらに一つだけ、機能面でIH式というものを選んでみた。炊飯器には大きくマイコン式とIH式という2種類があるらしく、どうやらIH式の方が美味しいらしいのだ。この2つの違いについて、ネットには「味が全然違う」と書いてあった。それなら俺にも違いが分かるかもしれないと思えたのだ。

結局、アマゾン スーパーセールの前夜祭的なセールで、アイリスオーヤマのIH式5合炊き炊飯器にした。今度は黒で、前回のより少し角張った厳つ目のフォルム。セールで60%OFFで、9千円弱だった。このセールがどこまで本当か分からないけれど、定価は20千円くらいなのだとしたら、そこそこ高級だ(僕にしては)。

付いている機能としては、硬さおよび粘度を選べるやつと、銘柄によって炊き分けられるやつだ。これらが特に欲しかった訳でもないけれど、付いているなら当然使ってみる。届いてすぐに3合を硬めで炊いてみた。いつも超安い米を適当に買っているせいで銘柄による炊き分け機能の中で選択肢はなかったから、そっちは使わなかった。炊き上がった米は、確かに少し硬めに炊けたんだけど、少し鉄の匂いがしてあまり美味しくなかった。どうやら初めて炊く前にはしっかり洗わないといけなかったらしい。出鼻を挫かれた。