第667回:変な家②

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さてその答えは、つまり映画は、思った以上に映像としてホラー寄りで描写もグロテスクだった。僕が原作をなんで気に入っていたかって、要はお化けとか超常現象的なものじゃなくて生きた人間の怖さで、ビックリさせられる系の怖さではなく自分で想像してゾワッとなる系の怖さだったからだ。ところが映画は、映像にしようとすると仕方ない部分もあるんだろうけど、割とお化けチックな匂わせや、ビックリさせられる系のホラー要素が強めだった。んでもって思った以上に血が出てきたりもして、ちょっと期待してたのとは違うんだけどな、とは思った。

またストーリーとしても、若干期待していたのとは違う方向で着地した。これは原作・映画、どっちも概ね同じ感じだと思うから、映画だけにアレコレ言うつもりもないけれど、ちょっと違った。ネタバレなく抽象的にまとめるならば、「もっと身近で現実的な背景・決着にして欲しかった」のだ。一見どこにでもある一軒家からストーリー始まっているのだから、「確かにそんな家がこの街にあってもおかしくないかも・・・」という怖さで終わって欲しかった。それが若干「そんなことは実際には無いやろ」という方向に行ってしまった感じ。惜しかった。

とはいえ暇つぶしに読んだ漫画から、数年越しに想像に対する結論を出してくれてスッキリはした。この作品に対しては、長い間微かなワクワクをくれたことに素直にありがとう、という気持ちになった。

図らずも第”666”回という、オカルト好きには突っ込まれそうな数字の時に、ホラーな話を書いてしまった。オーメンとかのお化け・ビックリ系のホラーは好きじゃないけれど、ちょっとだけ粋かもね・・・?。