第669回：桜咲かず
今年はなかなか桜が咲かない。僕はあいにく花を愛でるタイプの人間ではないけれど、せっかく目黒川沿いに会社があるから毎日ちゃんと気にするようにはしている。けれど、今年はまだ咲いていない。
今週、僕らの会社前を上流の中目黒駅方向に遊覧船が何隻も通って行ったけれど、ちょっと気の毒だった。日本人ならまだしも、わざわざ時期を合わせてきたのであろう海外の人なんかは特に可哀想だった。たしか目黒川の”さくらまつり”もこの３月最後の週末に設定されていたみたいだけど、残念な感じだったに違いない。桜の咲いていない目黒川は、(個人的には)特に面白いものはない、むしろちょっと汚い人工的な川だ。桜が観られないなら、仕方ないからウチの会社の壁面に掲載されているパリオリンピック内定柔道部員の垂れ幕でも見ていってくれ、と思った。
「確かに結構まだ寒いもんな」と一昨日まで思っていたのも束の間、昨日今日、この週末はいきなり初夏の陽気だ。この前までダウンを着ていたのに、今日は半袖短パンで自転車乗ってジムに行った。最近は、春と秋がよく分からない。一瞬で暑くなって、気がつくと寒くなっている。異常気象も、感覚的に異常ではなく通常になってきた気がする。何はともあれ、これで一気に桜の花は開くだろう。花も急に暑くなったからビックリして蕾を落としてしまわないか少し心配だけれど。
来週は一段と目黒川が騒がしくなりそうだ。僕も一回くらい帰りきわに中目黒の方に足でも伸ばしてみようかと思っている。僕の春も少し先にあってくれれば良いのにと自虐してみたり。