第704回:使い切る系男子
この前リップクリームを使い切って、新しいものを買った。
まず「そんな図体してリップクリームなんて使ってんの?」というツッコミが聞こえてきそうだが、僕はリップクリームだけは比較的いつも持ち歩いている人間だ。いつ誰とキスするか分からないだろ、とボケてもいいのだけれど、本当のところ単純に唇の乾燥が嫌いなのだ。バックを持たず、可能な限りモノを持ち歩かない主義だが、リップクリームだけはいつもポケットに忍ばせている。
と「藤井がリップクリームを持ち歩いている」議論はいいとして、今回書きたかったのは、いったいこの世界のどれだけの人間がリップクリームを使い切れるだろうか、ということ。正真正銘、偏った人生を歩いてきた僕の持つ数多ある偏見のうちの一つだが、要はこの世界にはリップクリームを使い切ることができる人があまり多くないと思っている。夏の間に使わずに古くなっちゃった、とか、プレゼントとかでたくさんもらって余っちゃった、とか、一番多いのは、無くしちゃった、かな。とにかく使い切って心置きなく捨てるところまでいける人間はそう多くない、と僕は思っている。
だからこの前新しいものを買った時、甚だ勝手ながら少し誇らしい気持ちでレジを通してやった。そして会社で後輩の女の子にも「俺、使い切ったんだぜ」と自慢しておいた。「え!?すごいですね!私使い切ったことないです・・・」と期待した通りの返事をもらって、なおさら誇らしい気持ちになった。
という、なんの話やねん、の話。12月忙しくて疲れた頭にはこれくらいの文章がちょうどいい。