第713回:仙台旅④

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式・披露宴の内容について言及はしないけれど、周りの人間に愛されて生きてきた(生きている)ことがよく分かる二人の結婚で、良い気持ちになった。家族・両親に大切にされているのは大体の人がそうだけど、友人その他関係者に愛された人っていうのは、こういう時になんとなく分かるも。そういう人間が幸せだという場面を見るのは良い気持ちになるものだ。

16時くらいに披露宴が終わってから、会社のメンバーと、同じく式に来ていた知り合いメンバーで軽く二次会をした。ほとんどがその日のうちに帰る、要は日帰りとのことで、本当にサクッとだけ呑んだ。また僕は一人仙台の街に取り残された。少し疲れていたからまずはホテルに一回帰って、スーツを脱ぎ風呂に入り、軽く寝た。そして21時頃からまた動き出し、流石に、と思って牛タンを食べた。前の日のスナックで聞いていた地元の人オススメのお店。明るくて綺麗で、特に申し分ないけれど、味音痴の僕にとっては、東京のねぎしと大して違いが分からなかった。食べ終わってからは、その牛タン屋の人に、一人でも気軽に呑めるバーを教えてもらい、行ってみた。国分町のメインストリートから少し外れた、怪しい雑居ビルの地下にあるバーで、入ってからカラオケバーだということを知った。でもここは居心地が良かった。とっつきやすいマスターに、バイトの女の子が一人、客は常連と思しき20~40代くらいのオジさんたち。マスターやら客やらと適当な会話をして過ごした。ベロベロのお兄さん(とは言え僕より年下)一杯奢ってもらったりもした。柔道をやっていたという謙虚なお兄さん(これも年下)にも出会ったりして、世間は暖かく狭いものだと思った。居心地が良くて結局3時間くらいお邪魔したけれど会計は4,000円。安いものだ。前の日のスナックなんて2時間いなかったけれど5,000円だった。カラオケバーってラフでいいなと思った。別に僕が歌うわけではないのだけれど、店員さんもお客さんも人当たりが柔らかい。女の子の店員がいるわけでもないし、気取ってないから安い。僕にはこれで十分だ。帰りに少し腹が減っていたからコンビニでお弁当2つ買ってホテルで食べた。やっぱり東京にいる時と変わらないだよな・・・。

酔いが深いと眠りが浅くなる僕は、次の日6時くらいに目が覚めた。このまま仙台にいてもやることがないということを、この2日間で嫌というほど学んだから、新幹線の時間を早めてさっさと東京に帰った。一人旅、向いていないのかもしれない。いやが不要なだけで、一人呑みはそこそこレベルが上がってきた気もする。もっと東京一人色々なところに繰り出してみよう。そして旅は二人以上でしよう。そう思った仙台旅であった。