第745回:ゴルフ・コースデビュー③

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ロータリーで、クルマからゴルフバッグをおろすと、すかさずスタッフが寄ってきて、それをどこかに持って行ってくれた。受付に名前を告げ、ロッカーキーを受け取り、ロッカーに不要な荷物を預け、カートの発着場に行く。僕ら3人のゴルフバッグは、すでにカートに乗せられていた。スタッフは、ここに運んでくれていたのか、と初めて知る。カート7時半の出発まで、まだ少し時間があったので、ボールを買って練習場へ。いわゆる打ちっぱなし的な場所を想像していたら、ネットまで10~20ヤードしかない、小さいバッティングセンターみたいな練習場だった。いかんせん初めてなもので、こんなもんなのかと思っていたが、後々聞くとここのはショボい方らしい・・・。30球くらいの練習をして、カートの発着場に戻ると、まだ7時半にはなっていないものの、「もう行っていいよ」と言われ、出発。
これもゴルフ場によって、らしいが、ここのカートは自動運転で、コース(芝生)への乗り入れができないものだった。操作は、出発・停止のボタン一つだけで、ゆっくりと決められた道を進んでいく。決して新しくなく、綺麗なカートでもなかったけれど、自動運転ってだけでワクワクした。
1分もせずに第1ホールに着いた。Par4/305ヤード。打ち下ろし気味。ピンを刺して玉をおいて構える。まず感じたことは横幅が狭いってこと。これまでレッスンを受けるシミュレーションにしても、打ちっぱなしにしても、横にどれだけズレたかをそこまで強く意識してこなかった。多少横にズレても、とりあえず遠くに飛ばせばいいんでしょという気持ちだった。あながち間違いではないとは思うのだが、多少横にズレても、の“多少”が、思った以上に“少”だった。結果、僕の記念すべき第一打は、左に外れ、ちょっと惜しいけどもOB。「なるほど、そういう感じね」と、もう一回打たしてもらったそれも、若干左に外れたものの、なんとかコース内には残った。ホッとした。
僕の後にもう一人の男性が打ち、少し前の方にあるレディースティーから女性が打ち、二打目に向けてカートを動かす。二打目、ホールまでどれくらいの距離が残っていたかは忘れたけれど、6番アイアンで打った。僕が持っているクラブセットの中で一番飛ぶやつだ。練習でさえあまり綺麗に当たったことのないユーティリティは、打ち損じのリスクが高すぎると思って使わなかった。綺麗かどうかはおいておいて、とりあえず前には飛ぶ二打目、三打目を経て、ピッチングを使った四打目で、ようやくボールがグリーンに乗った。
グリーンに乗ってからも苦労した。そもそもパターの練習というものをほとんどしてこなかったし、素人で偉そうなことを言うが、パターは実践で練習しないとあまり意味がない(傾斜があるし、芝生だし)。転がす方向はそこまでおかしくないのだが、短かったり・オーバーしたり、要は力加減が全然うまくできなかった。結局4回くらい叩いてようやく穴に落ちた。合計八打、言い方も分からないけれど、僕の記念すべき第1ホールは、一回のOBを無視した上で▲4ということだ。「なるほど、こういう感じね」としか言えなかった。