第746回:ゴルフ・コースデビュー④

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第2ホール以降も、特に様子は変わらなかった。まず一打目でつまずく。つまりドライバーが思うように打てずに、OBをよく出した。毎回、1回くらいは「もう1回やらせて」を使うのだが、2回打ち損じたら諦めて“プレイング4”にした(通常のティーよりもだいぶ前の方にある特設ティーから、四打目として打たせてもらうルール)。この日、“プレイング4”は、全部で5回くらいは使ったと思う。今回一緒に行った3人とも下手だから、全員で“プレイング4”を使うホールもあったり、OBを出していないのに4打目で特設ティーまで届いていなかったり(OBを出した方が良い、という状況)、かなり情けないグループだった。明確に、ドライバーに課題あり、だ。
一方で、二打目・三打目の、グリーンに近づける所は比較的うまく進めた。要は、アイアンは割とうまく使えた。アイアンと対して形の変わらないピッチングも特に悪くない。これもまた初めて経験したバンカーでのサンドウェッジは、バンカー脱出自体には多少苦戦したものの、クラブの使い方としてはそこまで難しいとは思わなかった。
そして圧倒的練習不足のパターは、当然ながら課題ありだ。かなり無駄な打数を稼いでしまった。
結果、スコア137でこの日を終えた。「もう1回やらせて」を多分に使っているので、本当に正確に数えたら+10くらいになるかもしれないけれど、とりあえず137ということにしておく。知っての通り、お話にならない、苦笑されるスコアだ。

ただ、1回実践を経験したのは大きい。やっぱり100回の練習より1回の実践だ。今回得た最も大きな教訓は「飛ばしゃ良いってもんじゃない」ということ。いかんせん身体が大きいから、周囲から「ドライバーで、300ヤードくらい飛ばしそうですね」なんてよく言われる。僕もその気になって、練習では、ただ飛距離が出ることに喜んでいたところがある。でもそうじゃない。200ヤードでも良いから狙った方向に飛ばすことが何より大事なのだ。
この日以降の練習で、明確に意識を変えた。まず、ちゃんと当たるくらいの小振りにすることにした。大体のスポーツにおいて、天才を除いて、一番早く成長するのは、スロー&スモールで基礎を身につけることだ。それができるようになってから、徐々に、より早く・より大きく・より強くしていけばいい。その地味で退屈な段階を、我慢強く練習できるかが、一つの勝負なのだ。天才には程遠い僕としては、この努力勝負は、比較的得意だ。幸い筋力はあるから、小振りで遠慮がちにスイングしても200ヤードくらいは飛ぶ。これでいい。来年にはスコア100を切ってみせるから、見ていてほしい。