第763回:フルマラソン⑤

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段々と人がバラけて5~10km、1km当たり4分49秒、ちょうどいいペースになってきた。号砲と同時にスタートしている3時間半のベースランナーにも追いついた(僕は号砲から1分半後にスタートラインを超えたから)。ベースランナーに追いついて気が付いた。3時間半で走る青山学院の人は、あの黒田朝日選手だった。“シン・山の神”ってやつだ。沿道のお客さんたちも、黒田選手と気がつくや一段と高い歓声を上げる。大した人気。その黄色い歓声を、自分に向けられたものだと勘違いしながら走ってやることにした。

10~20km、1km当たり4分53秒。ペースは守れている。しかしなかなか疲れも出てきた。そしてここでAirPodsの充電が切れた。確かにかなり古い代物だけど、2時間持たないとは知らなかった。言われてみればそれだけ連続で使ったことは無かったかもしれない。残念ながら、2回目の“終わりなき旅”を聴くことは叶わなかった。ちょうどこの20kmくらいで、太平洋沿いの道に出た。そしてこの高知龍馬マラソン、最大の難関“浦戸大橋”。何が難関って、その高低差・急斜面。全長1.4kmで高さは50mもある。なかなかの坂道を数百メートル走らないといけない。ここを契機に、僕の足も顕著に疲労を訴えてきた。それでも、黒田選手になんとか喰らいついて、喰らいついて・・・。

20~25km、1km当たり4分56秒。付いていくのが無理になった。3時間半は一旦諦めよう。少しだけペースを落として、4時間は切るとしてできるだけ3時間半に近いところを目指すことにした。

25~30km、1km当たり5分13秒。仁淀川を渡った。間違いなくペースは落としたのだが、もう足は限界を迎えていた。両足の前モモはもちろん、左足の内モモ・モモ裏・ふくらはぎが、攣ってんのか筋肉痛なのか、みたいな痛みを発し、脳に対して頼むから止まってくれと懇願していた。