第692回:プロ野球観戦③

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当然ながら今回連れて行ってくれた2人は僕よりも断然プロ野球に詳しい。試合が始まるまで色々と基礎知識を教えてもらった。あの選手はどうだとか、こういう時はこう攻めるだとか。選抜が発表された時には「今日は東海大相模高校出身の選手とかいるの?」と聞いたが、残念ながらいなかった。その前の日だったら菅野投手(相模高校で僕の2つ上)だったらしい。もう原監督もいないし、同門という観点での応援はできなかった。

試合は初回から動いた。巨人、ランナー一人を置いた状態で4番がホームランを打ち2点先制。ほぼ初めての観戦だから、基本的に全部新鮮な、いきなりホームランが観られてなんだかラッキーな気持ちだった。その後も適度にお互いの点が入ったけれど、全体を通じて特に危ない場面なく巨人が快勝した。会場の大部分が巨人ファンだから終始盛り上がっていてお祭りみたいだった。

ハイボールの売り子さんの周期に合わせてずっと飲んでいたら、試合が終わる頃には割と酔っ払っていた。せいぜい7-8杯くらいしか飲んでいないはずだが・・・きっとウイスキーが濃かっただ。あるいは午前中10km走って、何も食べずに行ったから、やたら吸収してしまったいずれにせよ思った以上に酔っ払った頭でぼんやり考えたのは、「ショーとしてのスポーツと柔道その他アマチュアスポーツとの違い」だ。今更だけどプロ野球は、完全に見世物に徹している。酒が飲めるのだってそうだし、それを女の子に売らせているし、グッズや食べ物の屋台の売り出し方もそう。選手の入場からヒーローインタビューまでの演出もだし、モニターに映すもの・解説に喋らせることもそうだ。あらゆる面でプロ、つまり観客や来場者からいかにお金を搾り取るかを考えに考えた上で、それを実現している。

野球は、元々海外のショースポーツを輸入してきたのがルーツだろうから、そんなところを今さら感じる人間も少ないかもしれないが、柔道しかしてこなかったし観てこなかった僕にはそこも新鮮だった。そして、たとえば日本柔道がそこを目指す、そもそもそういう転換を検討するに至るにも障壁が多く、例えそれらを乗り越えてプロ化に漕ぎつけたとしても、このプロ野球のレベルと比べるとお話にならないだろう。特段、柔道にプロ化を求めているわけではないけれど、選択肢に溢れている今の時代で競技を存続させていくには、もう少し経済性を高めていかないと厳しいだろうなとは思っている。まぁ先述の通り、天変地異でも起きない限り無理だろうけど、ね。