第2回:引退

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 六日に全日本選手権の県予選があった。高校最後の試合。第一回にも書いたけど、悲惨な一月を経て体重は6キロ減、調子は最悪。その上、非常にレベルの高い大会。もうやるしかない、と試合に臨んだものの結果は二回戦負け。分かっていたことだけど、いざ結果になるとキツい。しかも今回は一月の最初まで凄く調子が良くて、少しは良いところまで行けるかも、って思っていた。そこにきての病気。今までの努力がリセットされちゃった感覚で、悲しかった。負けた時は「悔しい」というより自分に対して腹がたった。

 でもまあ結果がどうであれ、高校での試合が終わった。引退って言われてもピンとこない(練習は卒業まで出なきゃいけないけど、試合は終わり)。「もう終わっちゃった」?「やっと終わった」?。何とも言えない。長いようで短い三年間。今思うとあっという間だった。あとは卒業するだけ。大学はもちろん楽しみだけど、やっぱり寂しい。残りの時間を大切にしよう、とか柄にもなく考えてみたり。というような、若干しんみりした週末。

 五日から七日まで関東ブロックの全日本合宿が私の学校であった。六日に試合があったから実際に出席したのは七日だけ。とはいかない。例によって肺が「しばらく働きたくない」って言いだして、休む。試合まで無理してたから、しばらくは、誰が何と言おうと、怖い怖い監督(ボス)が何と言おうと、休んでやろうと肺は考えている。「治ったら練習やろう、ボコボコにしてやるよ」とか他の選手に言われる。血の気の多い奴ばかりで困ったもんだ。「返り討ちにしてくれる」。とは言えなかった。最近弱気。

 やっぱり他人の練習を見ているのは好きじゃない。自分は何をしているのだろう、と迷ってしまう。とりあえず肺が「仕方ない、柔道しよう」と言いだすまで、長くて辛いノンビリ期間になりそうだ。

慶應義塾大学 総合政策学部(2010年 4月入学予定) 藤井 岳