第74回:招かれざる客

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7月2日、東京武道館で行われた東京ジュニア大会を見に行った。良い意味でも悪い意味でも懐かしい大会だ。自分がこれに出たのはほんの一年前なのに、ずいぶん昔に思える。思い出すのは 「 緊張してたな 」 ってこと。ここでコケて全日本にも進めなかったら、世界なんて夢のまた夢、絶対に負けられない。この気持ちがチャレンジャー精神を忘れさせ、ついつい守りに入ってしまったりする。勝負ってのは難しい。
今はシニア世代の一番の新米だから、あーだこーだ考えなくてもどこから見てもチャレンジャー。負けてもともとと戦えるのが、実は一番楽なのだ。そりゃ今だってもちろん絶対に勝たなきゃいけない戦いもあるけれど、相模高校で耳にタコが出来るほど言われた、口が切れるほど言いあった、「 挑戦者の気持ち 」 を忘れずに進んでいきたい。

4日から9日までNTCで全日本シニアが合宿をやっている。俺は残念ながら呼ばれていない。呼ばれると 「 キツイなー 」 って泣きごと言ったりもするけど、いざ呼ばれなくなると悔しい寂しい全日本合宿。だから今回は個人で参加させてもらっている。授業が終わってから車で一人 「 怖いなー、行きたくないなー 」 って思いながら、首都高に乗る。更衣室で一人 「 やだなー、今からでも引き返そうかなー 」 って思いながら着替えて道場に入る。最高の緊張と集中で日本トップレベルの方たちと3時間弱ミッチリ練習する。終わってみると 「 来てよかったー 」 になる。実力的にはまだまだだけど、少しでもここに噛みついてやろうと必死になれるのが実は楽しかったりする。また、呼ばれた選手でもないのに先生たちが、アドバイスをくれたり、練習後にトレーニングを手伝ってくれたり、「 ゆっくり風呂入ってから帰れよ 」 って言ってくれたり、もの凄く優しく ( 厳しく? ) 接してくれるのには感謝してもしきれない。「 支えられてんなー 」 と痛感しながら日吉の家に帰る。「 よし、感謝の気持ちを忘れずに明日も頑張ろう !」 と気合いを入れて眠りに就く。
そしてまた次の日、「 疲れたなー、やっぱ今日はやめようかなー 」 って思いながら首都高を走る俺がいる。

更新:2011-07-09
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳