第8回:長野来ちゃった

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 高校のクラスの友達と一緒に自動車教習所の合宿コースに参加している。

 16日、あずさ3号で立川から3時間、長野の山あいの町に来た。駅に降りた瞬間、「こりゃやばい」と思った。私の実家は奥多摩の山々と多摩川の渓谷に挟まれた田舎町にあるが、その青梅より更に田舎だ。心和むけど、かなり不便そう。ここで2週間。

 入所初日から授業が始まった。正直、運転をなめていた。学科もなめていた。柔道の 『 組み手 』は切れてもハンドルは切れない、『 足払い 』 はできても半クラッチはできない。全国大会決勝より緊張する。というのは少し言い過ぎたけど、とにかく悪戦苦闘している。

 運転だけじゃない。地元のヤンキー集団にはケンカ売られるし。周りの人ほとんど煙草吸うし。心のどこかで運命的な出会いを求めてたのに、そんな気配は微塵もないし。久しぶりにストレスを感じてしまう今日この頃。

 サルに出会った。20メートルくらい先を当たり前のように何かかじりながらウロウロしていた。「 いやー、運転も環境も、なかなか上手くいかないよ 」 ってサルにつぶやいたら、サルは、「 気楽にいけよ 」と見つめ返してきた。こっちのサルは青梅のサルより哲学的だ( 実は青梅にもサルは出る )。

 しかしこんな合宿も、悪い事ばかりではない。相部屋で一緒の同い年の人と仲良くなった。岐阜県出身。語尾に不規則に 「 やら 」 を付ける。面白いから使い方を聞くと、「 気分 」 らしい。俺も東京へ ( 神奈川へ? ) 帰ったら使ってみよう。

 さて、明日は坂道発進か。『 大内刈り 』 からの 『 巴投げ 』みたいなもんだろう…。あれ、俺、『 巴投げ 』 できないじゃん。

 などと考えながら今日 ( 20日 ) が終わる。

 長野の明日は雪が降るやら。

東京では明日、全国高校選手権@日本武道館。後輩たちが4連覇を賭けて戦う。 2010/3/20

慶應義塾大学 総合政策学部(2010年 4月入学予定) 藤井 岳