第94回:早慶戦
前回書いた講道館杯を経て、全日本指定のシニア強化選手に選んでもらった。晴れて、このブログにも何回か書いたことのある 「 全日本合宿 」 に呼んでもらえるようになる。ゲロ吐くほど走って、泣くくらい練習して、身も心もボロボロになる一週間が月に1、2回。去年の世界ジュニアで負けて、ジュニア強化からシニア強化に上がれなくて、呼ばれなくなったこの半年間くらいは、「 悔しいなー 」 とか 「 寂しいなー 」 とか思っていたが、いざ実際に徴集のかかった今は正直、「 怖いなー 」 とか 「 キツいなー 」 とか思ってたりする。この気持ちの壁も含めて全日本合宿。最後まで妥協無く怪我無く乗り越えて、また一つ強くなってきたいと思う。まずは11月28日~12月3日、生きて帰ってくることを願っていて欲しい。
先週日曜日20日、早稲田大学道場で早慶戦があった。部員はもちろん、OBの方々や家族や友人や大学応援団や未来の部員や、両校とも大勢の大声援の中で戦った。有難いことです。
今年のこれは勝ち抜き戦。色々と懐かしい。高校では春の選手権と金鷲旗が勝ち抜き戦で、実に色々な経験をさせてもらったが、大学になると抜き戦は公式戦にはなく、早慶戦の隔年しかないからだ。早慶戦では、それぞれ段順に並んだ20人対20人で戦う。先月うっかり四段になってしまった僕は必然的に大将になる。勝ち抜き戦で、増してや20人とかの大人数で戦う場合、自分が相手側の何人目から戦うのか見当も付かない。でもとりあえず大将である以上、勝つためには、「 僕の出番なし 」 か、「 何人目からであろうと僕が相手の大将まで抜く 」 しかない訳だ。前の方で上手くいかなかった時のことも考えて、いちおう16人目から20人目までを意識して臨んだ。
そしてその予想は残念ながら当たってしまう。相手の16人目で、こちらの20人目大将の僕に回ってきた。一つ一つの内容はここでは書かないけど、まぁ僕の中では良い試合が出来て、4人抜いて向こうの20人目大将と対戦。大将の試合は7分、何とかギリギリ引き分けた。早慶戦のルールで、大将同士が引き分けると二校共に同率優勝ということになる。今回の慶應にとってはありがたい、優しいルールだ。( 金鷲旗などは大将同士がそのままもう一試合して勝敗を決する )。しかし個人的に引き分けは好きじゃない。あのまま試合を続行していても、僕はきっと勝てなかっただろうし、今回は個人的に 「 負け 」 だと思っている。チームとしても個人としてもまだまだ反省の残る大会だった。これで四年生が引退し代が変わり、しばらく大会も無い。この時期にしっかり力を蓄えて、春にはしっかり芽が出るように頑張っていきたい。
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳