第97回:また合宿ですよ
12日から16日まで、今度は講道館で全日本合宿があった。14日の午前までは東京グランドスラムに出場した外人選手との練習。彼らが帰国した後は、シニアのグランドスラム出てない組・20人くらいでの練習。宿泊は近くの炭酸泉大浴場付きのビジネスホテル。食事は朝ホテル、昼・夜は東京ドームシティで各自というシステム。朝トレは無し。
久しぶりに外国人選手とやった。何をしてくるか分からない分、面白いと言えば面白いんだけど、普段の練習の倍くらい集中しておかないと怪我しそうになる。だから朝トレは無くて、練習メニューも少ないんだけど普段の合宿と同じくらいキツいものだった。外人がいなくなった後の練習は、人数が少ないってこともあって、基礎的な練習が多かった。寝技の補強を延々とやったり、腕立て200回してみたり、打ち込み1000本やったり。普段だと退屈な練習メニューで、ダラけてしまいそうなものだけど、外人とばっかりやって技や組み手の形が崩れてしまっていた僕にとっては良い練習だったと思う。
12日の夜、ちょうど東京ドームでEXILEのライブをやっていて、歌声がドームシティ全体に響いていて、それが講道館まで聞こえてきた。講道館は後楽園の隣なのだ。辺りにはオシャレなカッコして、イルミネーションとか見ちゃって楽しそうに歩いて行くカップルがたくさんいて。そんな中、ドームシティフードコートで、2人前も3人前もの食料をトレイに載せた100キロを超える男たちがジャージにサンダル姿で闊歩する。いつものことだけど、あまりにも向こうの世界が平和すぎて、我々のいる世界が壮絶すぎて、その温度の違う二つのシーンがすぐ隣に並ぶと、ついつい苦笑してしまう自分がいる。
キツくなってくると、彼ら・彼女らのことを一瞬 「 良いなー 」 なんて思ったりする。見かけは凄く楽しそうだし、何より楽そうだし。でも次の瞬間やっぱり自分はこっちの世界にいれて良かったとつくづく思うのだ。何かに、本当の意味でこんなに一生懸命になれる人生はきっともの凄く貴重で幸せだ。そう信じてまたコツコツ頑張るのである。
次の合宿まであと12日・・・
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳