第143回:みたび講道館杯
先週日曜日11月11日、ポッキーの日、千葉ポートアリーナで講道館杯があった。
去年書いたことの繰り返しになるが、この大会の出場資格はナショナル・シニア強化、前年講道館杯ベスト8、全日本選手権ベスト8、全日本学生ベスト8、全日本ジュニアベスト4、全国警察ベスト4、全国実業団ベスト4、高校総体優勝、等々のべ50枠ほどだが、相当数ダブるので実際の出場者は各階級30人程度。年に一回の、年齢関係なしの、体重別で日本一を決める大会である。一年間の日本での階級別ランキングが出るようなもので、ここから次年一年間の全日本シニア強化選手が選抜され、その中から各国際大会や、福岡体重別の出場選手が決められていく。要するに、ここで結果を出せば一気に出世するし、転んでしまうと一年間歯を食いしばることになる。
僕は大学一年の時に初めて出場してベスト16、去年はベスト8からの敗者復活で5位、今年は更にその上を狙っていった次第。今年は全日本学生でコケてそちらの出場資格は獲れず、昨年5位だったから辛うじて出場できたわけで、このチャンスを何とかものにしたいと考えていた。同時に、全日本学生と尼崎での大きな失敗に落ち込んでいろいろ迷いもあったから、目標は、「 初心にかえって、柔道を楽しむ 」 ことと決めていた。
結果は、準々決勝で負けてベスト8から、敗者復活戦でも負けてベスト8。去年より一ランク落ちてしまった。内容的にはそれほど落ち込むようなものではなかったと自分では思っている。一回戦も二回戦も実績では僕なんかよりずっと上の相手からきちんと一本勝ちすることが出来たから。でも、攻略できない組み手があったり、敗者復活戦で簡単に投げられてしまったり、と反省も多く残る。何より、結果がこれでは全然足りない。
とりあえず来年の出場資格を得、全日本シニア強化選手にも残ることが出来た。これで一年間はまたあの合宿に参加させて頂ける。行きたくはないけど、呼ばれないと寂しいあれだ。この先自分がどんな進路に進んだとしても、少なくともあと一年は勝負できる。今年上れなかった所に、来年上るためにこの一年間を大切にしてきたい。
今週末、もう3日後、僕にとって三度目の早慶戦がある。今年のチーム力を考えると、慶應はいけると思う。しかしこういう考えで戦いに臨むことがどんなに危険かを、僕は痛いほど知っている。いつものようにチャレンジャーに徹して攻めて行きたい。
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳