第144回:挑戦者

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先週日曜日11月18日、早慶戦があった。この大会は、場所は二年ごとにホームとアウェイを行き来して、試合形式は一年ごとに勝ち抜き戦と総当たり戦を繰り返す。今年は我々のホーム日吉道場で、20人対20人の総当たり戦だった。

勝敗はひとまず置いておいて、今回の試合において我々慶應は大いに反省すべきことがあると思う。それは僕が高校時代に嫌というほど叩き込まれたある勝負論 「 挑戦者になりきること 」 ができなかったことだ。
僕たちの代3年間の東海大相模高校は9個の全国大会のうち8個で優勝した。それが出来たのはこの考えのお陰だと思っている。何度全国でトップに立っても、次は分からない、相手はまた必死でやってくる、優勝した瞬間にもう次の戦いは始まっている、そう言われて常に必死で練習してきた。自分たちはチャンピオンだ、そう思ってしまっていたら、その時点でチームは崩れていたと思う。

今回、前評判では慶應の方が少し上回っていると言われていたし、オーダーもなかなか良い当たりだった。そのため試合前にうちは、我々の方が数段強いのだから圧倒して勝つ、とか、最低5点差は付けられるだろう、とかあちこちで言い合っていた。勝負においてこれほど危険なことはない。相手が格上でも格下でも、驕っていれば必ず足元を掬われる。まだまだ上には程遠いのに、ここでチャンピオン気分になっていては、もう先に進めない。
もうひとつ。我々よりはるかに格上のチームがベストメンバーで対戦してくる時、感じるのは、ある意味での敬意だ。「 自分等が上だから大差で勝つ 」 という驕りには敬意のかけらもない。それでいいだろうか。

結局今回は11対9でなんとか競り勝ったものの、一点ひっくり返っていたらと想像すると非常に怖い。我々は今一度反省して、もう一歩上に上がるためにまた一年間頑張っていかなければならないと思う。

更新:2012-11-24
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳