第15回:合宿

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 東海大相模高校を卒業してからの2カ月間弱、柔道においては常に自分との闘いだった。というとカッコつけのようだが、そうではなく文字通りの意味で自分と戦っていた。できることを全力でやる、環境に甘えず常に向上心を持って妥協せず努力する、そう自分に言い聞かせてはいたが、正直ずっと怖かった。柔道の強豪大学に進学したライバルや仲間たちは、新しい環境でもっともっと上に行っているのではないか、すでに自分だけ取り残されているのではないか。不安で仕方なかった。
全日本合宿が5日に終わった。今回は肺炎も怪我もなく、そんでもって少し強くなれたような気も。そして何より先のような不安が消えた。久しぶりに ( 前回の合宿は、前々回の合宿で起こした肺炎が完治しなかったため参加できなかった ) 全国から集まったトップ選手たちと練習して、俺もまだまだ捨てたもんじゃないと自信を取り戻し、慶應大学の環境でまだまだ強くなれる、と感じた。そういう意味で有意義な合宿だった。

 しかしそう上手いことばかりではない。改めて文武両道の難しさを思い知らされた。合宿中にレポートの一つや二つ書けるだろう、と考えていたが、甘かった。合宿って、体力的にキツいのは当たり前だけど、精神的にもやられる。とてもじゃないけど何かを考えたり書いたりする気にはなれなかった。やっぱりなかなか難しいものもあるよね。

 そんなこんなである意味平和で、ある意味過酷な合宿を無事乗り越えた。

 これからまずは今月23日の東京学生大会、そして全日本ジュニア、韓国ジュニア、一つ一つのチャンスをものにして、自分は自分の方法でのし上がっていこう。

 まあその前にとりあえず今直面している壁は、明日(8日)のトフルなんだけどね。

2010/05/08

慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳