第158回:柔道部のポスター

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もうすぐ新年度、新歓期間が近い。新歓期間とは4月の始めの数日間のこと。学部オリエンテーションや履修説明会なんかのために学校に来た入学ホヤホヤのなんにも知らない新入生を、それぞれ自分の部やサークルへ引きずり込むべく我々在校生が奔走する期間だ。

その新歓に向けて、新入生に配るチラシや、校舎や日吉の街に貼るポスターを作るのが、今の時期。
我が柔道部の新歓ポスターは2年前から、主将一人のどアップがドーンと真ん中にきて、その周りを部員の小さな写真で囲むといった構図を取っている。しかもそれがA1という他部にはないデカいサイズ。人の顔のどアップというのはかなり強烈なインパクトがあって、新入生がこれを見て入部したいと思うかどうかは別としても、人の記憶に残るという点ではポスターとして非常に優秀な働きをしている。しかしその分、大きな顔写真が町中に晒されている主将は、なかなか恥ずかしい思いをしてその期間を過ごすことになるのだ。それだけではない。配ったチラシがその辺に捨てられていて、自分の顔が大勢の人に踏まれている状況なんてのも多々あって、何となく悲しい気持ちになったりもする期間なのだ。

今年は遂に、僕の顔が街中にばらまかれるのかと思っていたら、少し違う構図でGOサインが出たようだ。今年の主将は、どアップに耐えられるほど大した顔をしていないという製作者の粋な計らいで、今回は内股の技シーンを使うことになったのだ。写真撮影時には、カメラの連射が遅くてなかなか決定的な技ショットが撮れずに何十回も投げ込みをしたり、みんなでわいわい集合写真を撮ったり、OBにもモデルになって頂いたり、今年のポスターも色々とストーリーが詰まった一枚に仕上がるはずだ。

これを読んで興味を持ってくれた人がいたら、是非一度日吉の街を歩いて見つけてみてはいかがでしょうか。そして新入生の子たちは是非、それを見て道場に足を運んでみて欲しいものですね。

更新:2013-03-02
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳