第168回:大学生最後の5月

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4年生になってから、朝のトレーニングの後はたいてい同期の誰かしらとご飯に行っている。トレーニングが終わるのが9時半だから、いつも10時とか11時とか、もう朝飯だか昼飯だか良く分からないやつだ。そこでとりあえず失ったタンパク質を補給して、だいたい12時くらいにダラダラと日吉に帰ってくるのだ。

そんな時たまに、小学生の下校集団と出会ったりする。新学年・新学期が始まったばっかりで、どこかウキウキしている連中だ。僕の車に乗っている21歳の一人はそんなチビチビを見て、
「 午前中で授業が終わるなんて、相変わらずゆとり教育だな 」
なんて言う。
「 授業も無くて、ダラダラ飯食って、今から昼寝する俺たちに言われたくないんじゃない?」
と別の誰かが言う。反論の余地はない。今まで3年間真面目にやってきたお陰もあるけれど、今の僕は週に一日しか学校に行っていない。ずいぶんな身分だ。

大学時代ってのは特別な時間だ。誰にも強制されず、好きなことを好きなだけできる時間、好きなだけ考えて、好きなだけ思い迷うことのできる時間だ。まだ人生の4分の1しか生きていない ( 多分 ) 僕だけど、最近よくそんなことを思う。そして気が付けばその時間も残すところ1年を切っている。一つ一つのイベントがもう最後の一回になっている。
「 今出来ることを全力でやる 」
それは今も昔も変わらない。ただ今までよりもう少しだけ高い意識で、危機感を持って何事にも取り組んでいこうと思った大学生最後の5月。

更新:2013-05-08
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳