第186回:イモムシからサナギへ

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肋骨を怪我してから早二週間が経とうとしている。始めの頃は痛くて呼吸するのさえままならない状態。クシャミや咳はもちろん、喋るのも笑うのも出来る限り控えた生活。仕方ないから、無口で感情を表に出さず、行動も制限し、実に消極的にヒッソリとイモムシのようにただ食べるだけの時間を過ごした。おそらく4年目にして大学生活で最も退屈でつまらない一週間だったように思う。

それが10日目あたりから目に見えて回復してきて、やっとイモムシ生活を卒業した。今ではもう普通の生活はもちろん、軽いランニングやウエイトトレーニングが出来るまでになった。とりあえず僕にとっての最終的な回復段階 ( チョウチョになる !) は柔道中の直接的なインパクトに耐えられるようになること。ここしばらく退屈で仕方なかった分、柔道が出来るようになるまではゴールドジムもフル活用して、鬼のようにトレーニングを積んでやろうと決意している。

我々にとっての次の試合は10月13日の早慶戦だ。今年はホーム ( 日吉キャンパス柔道場 ) での開催で、20人制の勝ち抜き戦だ。選ばれた選手の中で、段位が低い順に20人並べるから、僕は大将に内定している。今年は慶應が一枚上手との噂もあるが、そんなことは全くないと僕は思っている。僕が怪我した東京学生個人戦のアップの時、ふと早稲田の準備体操を見た。今まで何回も見ているし、それから特別何かが変わった訳ではないのだけど、その時何故か凄い危機感を覚えた。それは可能性とか予想とかよりもっと感覚的なもの。予感と言ったところ。一瞬、大将である自分に出番が回ってくるというビジョンが浮かんだ。
体の面ではもちろん、気持ちの部分もしっかりと調整して、挑戦者として当日を迎えられるように頑張りたい。応援よろしくお願いします。

更新:2013-09-13
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳