第194回:4回目の講道館杯
先週末11月9、10日の2日間、千葉ポートアリーナで講道館杯が行われた。100kg超級は2日目の日曜日だった。
講道館杯とは階級別個人戦、年齢制限なしの全国大会だ。全日本強化B以上、全日本実業団ベスト4、全日本警察ベスト4、全日本学生ベスト8、インターハイ優勝、全日本ジュニアベスト4、前年本大会ベスト8・・・などなどいくつかの出場条件のどれか一つ満たしていれば出場できる。複数の条件を持つ人もたくさんいるから、毎年だいたい30人くらいのトーナメントが出来あがる。毎年書いているが、この大会の結果をみて全日本強化選手が選抜され、その中から各国際大会や、福岡体重別の出場選手が決められていく。ここで結果を出せば出世するし、コケれば一年間臥薪嘗胆、という僕くらいの位置の選手には大事な大会だ。
今年の僕は、全日本学生東京予選会で骨折棄権し学生枠からは外れ、前年本大会ベスト8と全日本強化選手枠で出場させてもらった。
今年の結果は3回戦準々決勝で負けて、敗者復活戦でも負けて、去年と同じベスト8。同じなのは結果だけではない。負けた2試合とも、去年と同じ相手に、去年と同じような内容で負けた。もちろん相手だってこの一年間で成長しているから、自分の実力が去年と同じというわけでもないはずだ。でも、そう何度も同じミスをしていられるほどこの世界は甘くない。自分を活かす練習はもちろんだけど、相手を殺す=相手の柔道をさせない技術の習得が必要だと痛感した大会だった。
精神的要素としては、今年で4回目のこの大会、良くも悪くも慣れてきた感触がある。最初の頃のように、一つ一つの勝利に胸が躍りワクワクする感じがなくなり、「 もっと上に上がれなくては仕方ない 」 と本当の意味で貪欲な気持ちを持てるようになった。
また前回書いたように試合前、「 年下の選手に対して挑戦者になれるか ?」 と実は少し心配していた。今回は4回目にして初めて1回戦で年下の選手と対戦したが、この問題はクリアできたように思える。受けに回ることなく、どの相手にも同じように自分を持って攻めることが出来た。
来年から自分を取り巻く環境が大きく変わる。それを活かすも殺すも自分次第だ。まだまだ先は長く果てしなく思えていた現役生活にも、ちらほらと終わりが見え隠れするようになってきた。出来ることを積み重ねて悔いの残らない努力をしていきたい。
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳