第196回:最強のライバル

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自慢じゃないが、僕は英語が苦手だ。苦手と言うのもおこがましい、要するに出来ないのだ。中学から習い始めるこの科目で、いつからか周囲の人間に後れを取り、いつの間にかその差は取り返しのつかないものになっていた。もうどこから手を付けて良いのかも分からない、悪夢のような状態だった。そんな僕も、今年始めから通っている英語塾で中学一年レベルまで遡って習い始め、ほんの少しずつ改善はされている、はずだ。もちろんとてもじゃないが喋れないし、大学生一般レベルにはほど遠い。
まさかこの人生の強敵が、体をイジめるべき全日本合宿に現れる日が来ようとは夢にも思わなかった・・・。

12月23日~27日、板橋のNTCでいつものように全日本(クリスマス!)合宿がある。この前の講道館杯で辛くも強化選手残留を果たした僕も呼んでもらっている。しかしこの合宿通知に同封されていた練習日程表を見て、僕は少なからず動揺させられた。夜のミーティング時間の2日分ほどのところに 「 英会話 」 と書かれていたのだ。
「 これはマズい !」
実にまずい。一瞬にして最悪の場面が頭に浮かぶ。慶應生というだけで周囲からいわれのない期待をされて、大勢の偉大なる先輩、偉大なる後輩の前で大恥かきそうな予感がプンプンする。
全日本関係の方でこれを読んで下さっている方がもしおられるなら、どうか僕の英語に期待しないで、温かい目で見守って欲しいと願うばかりである。

大会で選手宣誓を任された選手が、試合とは違う緊張で二重の苦しみを味わうみたいに、実に意味のない緊張に悩まされている今日この頃である。

更新:2013-11-29
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳