第205回:爆弾低気圧

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玄関を開けると雪国であった。

国境を超えることもない、長いトンネルを抜けることもない。朝起きて外を見れば、そこは昨日とは違う白銀の世界。
皆さんご存知のように僕の住む街はここ2週連続、およそ半世紀ぶりの大雪に見舞われた。こと2回目の奴にいたっては、関東各地で観測史上最高値を記録した。

14日深夜0時を回った頃、テレビを見るのに飽きてふと外に飛び出した。どうせ次の日の練習はない。練習している所があったとしても、これじゃ交通手段がない。こんな日は少しばかり夜更かしだ。ちょうど雪の降り方も全盛。港からの海風も奴らに加勢して、もう吹雪状態。高校時代のベンチコートを着てフードをスッポリかぶって、巨大な長靴でザクザクと一歩一歩ゆっくり坂をのぼる。とりあえず世の状況を見極めるべく 「 港の見える丘公園 」 まで行く。もちろん無人。車も通らない。当然足跡も車輪痕もない。見渡す限りの新雪ってやつだ。普段どんな日のどんな時間でも車たちが勢いよく通っているベイブリッジも、シンとしている。ボーッとしたオレンジ色の街灯がポツリポツリと見えるだけ。まるで血の通わなくなった血管を観察しているよう。言葉通り、ここら辺の交通は完全に麻痺したのだった。

次の日は、普段鍛えている成果を雪かきで余すところなく発揮した。ここぞとばかりに柔道家アピールをしながら、地域貢献だ。なんて張り切ったら、その次の日は腰から背中にかけて筋肉痛。僕もまだまだである。次、50年後の大雪に備えて、また鍛え直そう。

更新:2014-02-16
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳