第206回:Speed Learning
2月の始め頃から、スピードラーニングなるものを聞いている。ゴルフの石川遼選手が盛んに宣伝している、聞き流すだけで英語が喋れるようになる!ってやつだ。
ちなみに、わざわざ購入したわけではない。新しいもの、流行っているものに目がない父が、十数年前に興味本位で買って放置していたセットを実家から発掘してきたのだ。父は(姉も)一瞬で飽きたらしく、2巻以降のCDはまだ包装されたままだった。
CD一枚につき、だいたい4・5シーン30分くらい、簡単な日常会話を、英語→日本語の順で交互に話してくる。僕なんかでもだいたい聞き取れるくらいのレベルで話しているから、たぶん丁度いい。一つ文句を言うとすれば、全シーンのBGMが、何故かやたら眠たくボーッとさせるようなクラシックなこと。サンサーンスの白鳥とか。登場人物が飛行機に乗っていても、野球観戦していても、買い物していても、車を運転していても、いつも同じノンビリした気分にさせる。まあとにかくこれを主に車での移動時間、毎日合計2時間くらい右から左に聞き流してやっているのだ。
大学現役の時と違って毎日の練習場所が遠い。どこへ行くにもだいたい片道1時間かかる。その移動時間を何か有意義なものにしたい、と考えた末、この英語勉強に辿りついたのだ。たまにある同乗者からは非難ごうごうである。
聞き始めて3週間、まだ成長の兆しは見えてこない。喋れるようになる予感も特にない。ただまぁ英語を聞く耳は多少育ってきているような気がしなくもない。いずれにせよ、普段の英語勉強のプラスにはなっているはずだ。少なくともマイナスにはならない。
「鬼に金棒」とまではいかない。しかし「豚に真珠」にしてはいけない。こういった一つ一つを、無理やりにでも成長に繋げていかなくてはならないのだ。「藤井にスピードラーニング」 がどちらの意味になるかは、また来年あたりにでも・・・。
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳