第207回:冒険

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3月に慶應柔道部の同期=卒業生でマカオに行ってくる。いわゆる卒業旅行ってやつだ。他の同期は社畜になる前の遊び貯めとしてこの時期あっちこっち飛びまわっているようだけど、僕にとっての卒業旅行なるものはこれ一発だ。もう一つ言わせてもらうなら、柔道着を持たずに海外へ行くのはほぼ初めてだ。物心つく前、家族でハワイに行ったらしいが、それは残念ながらほとんど記憶にない。
「それにしても、何故マカオ?」
と思われる人がいるだろう。正直な話、当事者の僕はそう思う。申し訳ないけどマカオにはカジノのイメージしかない。自慢にはならないけれど、僕はパチンコ含めお店相手のギャンブルをやったことがない。興味がないのだ。だから、どうせ行くなら海のある南国リゾート的なのが良いと主張したんだけど、みんなはその類には散々行っていて、僕の意見は極少数派だった。まぁ仕方ない。未知の世界へ行ってみることにする。

こんなことをチラホラと周囲の人に話していたら、義兄が沢木耕太郎さんの紀行文 『深夜特急』 を紹介してくれた。なんでも、それを読めばきっとマカオに行ってみたくなる、とのこと。すぐにブックオフに行って全6巻セットを買って読んだ。
結果、読み物としては楽しかったんだけど、マカオに行きたくなったか?と言われると微妙である。案の定、主人公沢木耕太郎さんがそこでやったことの95%はカジノでのギャンブルで、おまけに彼は一文無しになりかけるのである。まぁ結局はそういう街なのだろう。

ここは一つ、道を踏み外さない程度の貴重な経験をするつもりで冒険してこようと思う。大人の階段をまた一段上がった状態で、4月を迎えてやるとしよう。

更新:2014-02-28
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳