第235回:今度は西へ

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先週と同じように、月曜日の授業1限と3限の間を図書館で過ごしている。天気も風景もこの前とほとんど変わらない。ただあの蝉たちの、どこか焦った叫び声はもう聞こえない。たぶんもう少し季節が進めば、紅葉が始まる。そう思うと何となく、葉っぱたちが疲れているように見えてくる。

授業が始まってから1週間が経ち、少しずつ頭が「柔道モード」から「柔道+勉強モード」に切り替わってきた。そんな中、明後日10月1日の朝早く、成田からポルトガルの首都リスボンへ向けて旅立つ。ロンドン乗り換え、全部でおよそ20時間の移動。帰国は7日朝、ちょうど1週間の旅だ。

残念ながら遊びに行くわけではない。先月の全日本実業団個人戦の結果から、ヨーロッパ・オープンなる大会の代表に選んでもらったのだ。およそ一年半ぶり、去年のアジア選手権ぶりの国際大会だ。今回の派遣は、全日本柔道連盟ではなく、全日本実業柔道連盟のもの。だから国内における評価(ランキング)に影響はない。でも、勝てば世界ランキングのポイントが入るし、11月の講道館杯に向けて弾みが付くはず。しっかりと準備をして、思いっきり挑戦してくるつもりだ。

もう一つ残念なことがある。語学だ。リスボンはポルトガル語が標準語。2週間のアメリカ研修を経て、最早ネイティブと見分けのつかないほど成長した僕の英語力を活かせないのが無念でならない。
冗談ついでに、余談だが、僕以外の家族3人は、僕の試合を口実にポルトガル観光を楽しむようだ。毎度のことながら僕の大会出場が決まった瞬間に飛行機を予約して、本やら映画やら何やらで必死に予習している様子。選手なんかよりよほどしっかり計画を立て、気合いが入っているように見える。せっかく万全の準備をしたようだから1・2回戦あたりは代わりに出てもらおうかと思っている。

更新:2014-09-29
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳