第246回:奴が来た

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 奴が来た。およそ5年ぶり、ちょうどこのブログを始めた時以来。圧倒的強者を前にしたような感覚に襲われる。「あれ、ちょっとおかしいな」と気が付いたときにはもう飲み込まれていて、僕はただ受け入れるしかない。長い戦いだ。

 いったい何の話かというと、およそ10日前の月曜夜から、流行りのインフルエンザA型と格闘していた、という話だ。熱は39度まで上がった。関節が痛くなり、鼻づまりや咳に苦しんだ。大学4年であばら骨を折った時ぶりに「生きてるのがツラい」と思った。医療分野の先生が多くいる研究科で、公衆衛生学なんかも学んでいる僕は、寝込みながらずっと感染源や経路をひたすらに考えては後悔していた。たぶん前日に行ったスーパー銭湯でもらったんだと思う。
 今回は発熱2日目の夜に両親に保護されて、4日間実家で療養した。昔姉の使っていた部屋に隔離され、姉の使っていた狭くてグラグラするシングルベッドに寝転がり、ウィルスと闘いつつ『のだめカンタービレ』や『竹光侍』を読んで過ごした。誰かが横になるとほぼ間違いなく、いそいそと便乗して隣で丸くなるうちの猫たちとベッドを分け合い、ただ食っちゃ寝食っちゃ寝の生活。生まれ変わったら猫になるのも悪くない。

 これから年末でクリスマスやら忘年会やらとイベントも重なるし、ただでさえ体が鈍る時期なのに、とんだタイムロスをしてしまった。間を縫うようにしてでも、しっかり身体を作り直して新年を迎えられるように頑張らんといかん。

更新:2014-12-26
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳