第249回:稽古再開
先日柔道部監督と将来のことを話す機会があり、その中で“やっぱりこれからは英語が必要”的な話題になった。昨夏のワシントンD.Cでの研修を経て、それまでの国内での勉強にあまり手応えを感じなくなってしまった僕は、何か自分の知らない画期的な答えが返ってくることを期待して、
「日本で出来る一番効率の良い英語の勉強法って何なんでしょうね?」
と尋ねてみた。すると、
「外人の彼女作ることだよ!」
と、監督即答。確かに凄く画期的かつ効率的な解決策である。納得。しかし僕みたいな冴えない男には至難の業でもある。“よし、また地道に頑張って勉強していこう”と妙に気合が入った有意義な会話であった。
さて、我がパーク24柔道部では正月5日から練習が再開された。明治大学の寒稽古に参加させてもらうかたちでの稽古初め。明治の寒稽古は電車の時間を考えて毎朝7時半から練習開始だ。
ちなみに僕の母校・慶應の寒稽古は5時半からだ。もちろん電車なんか動いてないから、車等の移動手段を持たない学生は前日から極寒かつあまりキレイとは言えない道場に泊まることとなる。当然毎回2、3人が体調を崩す。あまり大きな声では言えなかったけれど、もうちょっと考えた方が良いんじゃないかな。
この寒稽古なるもの。武道に関係のない人生を歩んできた人にはあまりピンと来ないかもしれない。これは根性論をそのまま形にしたようなもので、残念ながら伝統として日本柔道界では広く受け継がれている。僕が小学校1年で柔道を始めた田舎の小さな柔道教室でもちゃんとあって(それこそ氷点下の体育館!)、皆勤すると賞状をもらえたりした。
具体的には、真冬の凄い朝早くから寒さと眠気と闘いながら練習するのだ。特別変わった練習をする訳ではない。“我慢することで心を強くする”ってだけだ。それも、最近は多くの道場にエアコンが設置されているから、最早戦う敵は眠気だけである。
理屈や最適化が大好きな僕からしたら、眠い中わざわざ効率の悪い練習をして、一日のサイクルを狂わせる厄介な存在でしかない。せっかくやるんだから、その時出来るベストな練習をするよう努めはするが、やっぱり普通の練習がしたい今日この頃である。
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳