第256回:兵庫にて

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 僕らみたいに閉ざされた特異な日常を送っているアスリートにとっての「常識」は、思った以上に周りの人の「常識」と上手く噛み合わないことがある…。

 先週月曜日から土曜日まで、兵庫県広畑へ合宿に行ってきた。新日鉄住金の道場を使って、いくつかの実業団チームと大学と高校での合同合宿。日曜日の夕方に試合が終わって月曜日の朝新幹線に乗り込む、なかなかハードスケジュールであった。
 その合宿でお世話になったホテルでの話。練習で蹴られて腫れてしまった脛を冷やそうと小さめの氷嚢を持ってフロントに行った。従業員の元気なオバちゃんに氷嚢を渡し、氷を入れて下さいとお願いすると、快く引き受けてくれた。しばらくして奥の方から戻ってきたオバちゃんは満面の笑みで「ウーロン茶、入れといてあげたから!サービス!」と氷嚢を差し出す。まさかと思って中を確認すると、確かに茶色い液体が氷と半々に入っていた。とりあえず元気にお礼を言ってその場を後にしたものの、次の日からそのオバちゃんだけは慎重に避けて氷をもらうようにした。(ちょっとした思い違いがあったけれど、快くお世話をしてくれたオバちゃんには本当に感謝しています。)

 こんな風に数々の試練を何とか乗り越えて、なんとか無事に合宿を終え横浜に帰ってきた。今回は直前の試合での反省を踏まえて練習をしたつもり。今月末には広島での平和カップ、来月中旬には東京実業団と、これからも試合が続いていく。一つ一つ成長に繋げていけるように頑張りたい。

更新:2015-03-17
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳