第258回:Kindleデビュー

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先日、今ちょっと流行りのKindleを手に入れた。文庫本サイズのタブレットで、持ち運びに適した読書用端末だ。村上春樹以外の本をあまり読んだことのない僕も、最低限の教養は身に着けたい年頃である。普段の移動が車だから、日々そんなにたくさんの読書時間が取れるわけじゃないけれど、少しずつ色んな人の文章に触れてみようと思っている。

さてこの端末、決して「買った」のではなく、あくまで「手に入れた」のだ。分かりやすく言うと、実家に落ちていたのを拾ってきた。我が家では、電子機器に関して、往々にしてそういうことがある。
それは父の唯一とも言える趣味のせいだ。まあある意味仕事でもあるわけだが、電子機器に目のない父は、とりあえず目新しい製品が発売されると買ってみる。買った後に使うか使わないかは別にして、とりあえず買ってみるのだ。お蔭でうちには最新のPC、iPadやPlayStationが使われたのか使われなかったのか、あちこちに落ちていて、特にせがんだ訳でもなくもらえたりする。熟成しているらしい。iPadに関しては何故か2台落ちていたのを、今は姉と僕が1台ずつ使っている始末。父曰く「分かってる人間はスペックごとに買う」らしい。本当に分かってる人間は複数台買うだけじゃなくて使いこなしそうだが、父は手にして触ってみて・・・、まぁ良いとしよう。そういう仕事らしい。今回も、友達とKindleについて話しているのをたまたま横で聞いていた母が「それ、家にあったよ」と一言。まるで品揃えの良い電気屋さんみたいだ。
誤解のないように言っておくが、父は無駄な出費をほとんどしない人間だ。ファッションにも食事にもほとんど拘りがない。だから趣味を仕事とした人間として楽しく電子機器を買うことと、バカ息子への投資とが唯一の無駄使いだろう。

とりあえず今現在、僕はこのタブレットを使って、司馬遼太郎著の「燃えよ剣」を読んでいる。Kindleの使い心地と本の感想はまた次の機会にでも書いてみようと思う。

更新:2015-03-26
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳