第263回:学生の優越

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 僕の通っている健康マネジメント研究科は、その名前から何となく分かるように医学部や看護学部と非常に仲が良い。そのため、毎学期取れる授業のいくつかは医学系の教授が持っていて、東京・信濃町キャンパスで開講される。信濃町キャンパスはご存知、慶應大学病院のある医学部のキャンパスだ。

 そしてこの春学期、僕は木曜日の1・2限を信濃町で受講している。ここで問題になるのが朝の移動だ。横浜から都心へ、朝9時からの授業に向けての電車移動。ばっちり通勤・通学ラッシュでサラリーマンや高校生にモミクチャにされながら通わなければいけない。僕の場合、普通の人より若干高い身長と数倍強い体幹を持っているから体力的には助かるんだけど、その分人よりも体積があるから何となく申し訳ない気持ちになる。ドラマの観過ぎかもしれないけれど、痴漢に間違われないように両手でつり革持ったりして、何とも言えない疲労が残る朝になる。

 そんな揺れる電車でいつも思うのが、大学生ってのは何て甘やかされた身分なんだってことと、サラリーマンって大変だな、ってこと。僕なんか週に一回でもこんなにテンションが下がるのに、これが毎日×数十年って・・・例えるなら全日本合宿が半年続くような憂鬱感だ。今の日本では多くの人が4年間の学生生活を経ているからそういう人は順繰り平等とも言えるけど、つくづく大学生は社会的に恵まれた存在だと思うのだ。

 この環境の恩恵をいつの間にか忘れて、怠惰な理由で授業をサボるような学生がこの世からいなくなることを切に願って、今日も僕は勉強に明け暮れる(という夢を見る)。

更新:2015-04-30
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳