第275回:夏

未分類
Pocket

 夏って、たぶん来るまでが楽しいのだ。ようやくそれが分かってきた。ジメジメした梅雨の間、まだかまだかと待ち焦がれる夏。何か目の覚めるような面白いことが起きるんじゃないかってワクワクして待つ夏。だけどいざその時が来ると、ギラギラと容赦のない太陽にウンザリして、柔道で身体の芯までドロドロに溶け、寒い季節を切に恋焦がれる。そして終わってみれば、「期待したことなど何一つ起きなかったな」(by Mr.Children「夏が終わる」)と切ない気持ちになる。たぶん練習や何やらが忙しくて、期待したほど遊ぶ時間や体力がないからなんだろうけど、少なくともここ10数年の僕にとって、夏はそういう季節である。山駆け川泳ぎ、それだけで夏の一日が過ぎた子供時代は遠い昔だ。

 今日で7月が終わっていよいよ夏本番を迎えるこの時期。連日日中気温は35度を超える真夏日、夜も25度を下回らない熱帯夜が続き、早くもウンザリしているところだ。1時間外を走れば2㎏くらい痩せてるし、2・3時間柔道しようものなら4㎏くらい落ちている。改めて、やっぱり柔道は夏にやるべきスポーツじゃないないな~、などと考えたりする。

 今年の大本番、全日本実業団個人戦が8月30日兵庫県尼崎である。僕にとって、ここで勝たないと次がない大事な大事な試合である。階級を変えて迎える最初の試合で、自分の実力的立ち位置がほとんど掴めていない状態で臨む。その分何も気負うことなく挑戦者の気持ちで思いっきり戦いたい。

更新:2015-07-31
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳