第288回:早慶戦(1)

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 10月18日、柔道の早慶戦を観に行った。去年から2年連続の講道館開催。相変わらず凄い盛り上がりである。講道館で行われる僕らの「○○実業団対抗戦」的な大会よりも間違いなく観客席が埋まっている。ちょっと僻みを書かせてもらうと、僕が在校していた頃から講道館でやってくれていれば、僕ももう少し目立てたのになぁ、なんて。ましてや去年みたいに主将同士の大将戦なんて実現した日には、ちょっとしたヒーロー間違いなしだ。まぁ僕の主将時の早慶戦で僕は置き大将だったからあんまり関係ないんだけど。

 今年の結果は、2人残しで早稲田が勝利、大きな2連覇を達成した。今年は去年みたいに「観戦記」の依頼ではないので(第237~238回参照)細かく真面目な解説はしないけど、簡単なコメントを少しだけ記しておく。

 勝敗を分けた最も大きなポイントは「それぞれに課せられた仕事ができたか?」だと思う。
 この“仕事”をするために、実力以外に必要な要素が二つある。一つは「対策」である。全体を通じて、早稲田の選手は慶應の選手をよく研究していて、常に嫌なところを突いてきた。早慶戦は20人の勝ち抜き戦で、展開を読むのが非常に難しい。それでも早稲田の選手は注意深く分析を重ね、戦うかもしれない相手を絞り出し、その相手と自分が戦った場合にどのような試合にするのか(勝つor引き分けるor勝ち目がないから体力を削る?)を考え、そのための具体的な技術的対策を練り、実践できるまで練習したのだろう。それも、オーダーが発表されてから試合までの2週間ほどの期間で。凄いことである。(次回に続く)

更新:2015-11-10
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳