第292回:修士論文発表会
僕は、どちらかと言えば緊張する人間だ。筋肉ばっかり大きく育って、脳と肝っ玉はいくぶん小じんまりしているのだ。それでも、流石に17年間ある程度のレベルで競技スポーツをやってきたおかげで、多少は度胸も付いたし、少なくとも動揺を相手に悟られないようにハッタリをかますのだけは上手くなった。要するに僕はたいていの場合、例え傍から見て堂々としているようでも、内心はオロオロしているという訳だ。
先週の土・日曜日、12月5・6日、僕の通っている研究科で修士論文発表会があった。去年はボケーッと観ていたこの会も、今年は僕らが発表する番である。200人ほど入る教室で、100人くらいの関係者(研究科在校生・教授)を相手に、一人あたり20分(プレゼンテーション13分+質疑応答7分)の闘い。社会人経験もない、学生生活もだいたい柔道に捧げてきた僕にとって、おそらく今までで一番大きなプレゼンである。その上、いわゆるアカデミックな発表会で、終始堅苦しい雰囲気。緊張しないわけがない。僕的には「内輪の会なんだし、そこまで形式ばらないで和気あいあいとやればいいんじゃ?」と思ったけれど、きっと学会やら何やらはこういうもので、そのお作法を学ぶという意味で大事な空気なのでしょう。仕方がない。
結果、自分では割と上手くやったと思っている。最初に書いたようにハッタリをかまして、あたかも自信満々な様子でやり切れたつもりだ。ただ緊張すると出てくる汗がやっぱり止められなくて、「あいつ、何でこのクソ寒い中で汗かいてんだ?」と思われた部分はあるかもしれない。柔道の試合だったら汗で動揺がバレることはないんだけど・・・今後の課題である。同級生たちにも「内容は別にして、カッコいいプレゼンだったね!」と喜んでいいのかどうか分からないようなコメントも頂いた。ひとまず満足。
発表会が終わったからと言って、一息ついてはいられない。これからいよいよ執筆活動である。言うまでもないが、アカデミックなカチカチの文章を延々と書き連ねる作業だ。このブログみたいに、その場で思いついたことをテキトーな日本語で書くわけにはいかない。気合入れて望まないといかん。頑張ります。
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳