第296回:2016年の出だし

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 2015年から2016年の年越しはいつにも増して呆気ないものだった。気が付けばいつの間にか新年で、気持ちも身体も上手く区切りが付いていない感覚である。
 理由は簡単、修士論文の執筆作業に追われていたからだ。12月3週目に担当の教授に初稿を提出してから1月12日の正式提出まで、書いては直され書いては直されをひたすら繰り返し、とりあえずの完成形を作りあげた。
 執筆作業に取り掛かる前からある程度の予想はしていたものの、論文書くのってごく控えめに言ってすごく骨の折れる作業だった。たぶんそういう文章の書き方、お作法、そっちの世界の常識、などなどを十分に理解していない故の大変さで、慣れれば少し話が変わってくるのかもしれないけれど、とても疲れてしまった。

 そんな風に新年を迎え、既にだいぶ精神をすり減らしてしまったわけだが、柔道の方は順調である。11月の講道館杯で左手の指を骨折し、そのまま論文に追われる日々に突入したから、最近になってようやく、およそ2か月ぶりにガッツリ練習できるようになったのだ。しばらく競技を休んでみると、職業病のように身体に染みついた節々の痛みや細かい怪我も無くなるし、トレーニングを重点的にやっていたおかげで身体のパフォーマンスも悪くないし、何より気持ちの充電ができたおかげで意識の高い練習ができる。その代わり、久しぶりに道着を着たり握ったりするせいで全身の皮膚、特に指の皮膚が痛くなるし、トレーニングでカバーできていなかった部位の筋肉痛が甚だしい。そんなメリット・デメリットを痛感しながら、まずは3月の全日本選手権予選に向けて、最高の身体を作っていきたいと考えている。

更新:2016-01-25
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳