第300回:ありがとう横浜

Pocket

 2月、初めてこのブログに穴を開けた。極個人的なイベントがたまたまいくつか重なって、バタバタしているうちに3月になってしまったのだ。「ちょうど300回目の記事だから何か凄いことを書こうとしているのか?」と期待してくれていた人、あるいは「第299回の記事が今までの総括的内容だったし、そろそろ打ち切りか?」と心配してくれた人、ごめんなさい。ただ単純に忙しかっただけなのです。これからも、とりあえずは来年度も、この夢物語は続いていくので今後ともどうぞよろしくお願い致します。

 さて、前述した極個人的なイベントの一つは引っ越しである。2年半お世話になった横浜のアパートを引き払い、東京にあるパーク24の柔道部寮に入寮したのだ。親元を離れたのは高校入学時だが、高校3年間、大学4年間と柔道部寮で暮らし、完全なる一人暮らしはこの横浜でのアパート生活が初めてだった。しかし残念ながら一人暮らしの、ここに書きたくなるような立派な思い出話は出てこない。練習オフの日の夕方にその日一日誰とも会話していないことに気が付いて、訳もなく焦ってコンビニに行って知らない店員さんに気持ちよく挨拶してみたり、刑事ドラマを観ながら今の自分のアリバイを証明してくれる人がいないことに不安になったり、今まで感じたことのない一人の新鮮さを味わっているうちにサーッと時間が経ったような感覚だ。

 今まで、住処を変える度に一緒に巣立っていく仲間がいて、残る人との別れがあって、色んな気持ちを共有、共感できたけど、今回はそれがない。お蔭で少し空回りしそうだけど、これだけは本気で言いたい。
 良い街だった。良い部屋だった。縁があればまたこの街に戻ってきたい。ありがとう横浜、たいへんお世話になりました。

更新:2016-03-12
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳