第40回:モロッコで

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 世界ジュニアの内容について、今は書く気になれない。モロッコは楽しかったし、飯も予想していたよりずっと美味かった。毎日プールで遊んで、海に行った。思い出はたくさんできた。けど遊んだことを思い出すと 「 何しに行ったんだろう 」 と逆に憂鬱になる。

 試合の結果だけ言うと二回戦負け。話にもならない。何というか今回の負けは、「 よし、また次頑張ろう 」 と思えるようなものじゃなかった。「 何がいけなかったのか 」 考える気にもなれない。いつもの負けと、どこがどう具体的に違うのかはよく分からないけど、今回は情けない気持ち、自分に失望する感じしかない。後悔じゃない。準備してきたものに対して、あるいはこれに出るために頑張ったものに対して、あまりにも呆気ない負けだったからかもしれない。全ての自信が一瞬で無くなった。今の自分は次の段階に進むために何をするべきなのか、さっぱり分からなくなってしまった。もうすぐ早慶戦があるし、二部大会もある。講道館杯もある。いつもいつも立ち止っている暇がない。負けても負けても立ち直るしかない。

 少し疲れた。ジュニアからシニアに切り替わるこの時期に、ちょっとだけ休んでもいいのかもしれない。村上春樹さんが言うように、「 消耗し続けること、失い続けることが人生 」 かもしれない。でもたまには充電も必要じゃないか。今一度、自分の原点に戻ってみて、整理して、積み立て直して、次に何をするのか、ゆっくり考えていきたいと思っている。

慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳