第51回:合宿症候群

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 合宿から帰還した翌15日、公開初日の映画 『 ソーシャル・ネットワーク 』 を見た。CMを見たときから期待していたんだけど、これが正解。面白かった。特に派手な展開があるわけではなく、淡々と話を進めていくタイプの映画なんだけど全く飽きない。笑わせる場面も悲しませる場面も、こないだの “ あれ ” とは違って、クールだ。「 俺もハーバード目指せば良かったかな 」 と思ったり、一方では情報科目の課題の簡単なプログラミングにさえ苦労していたり。あまりにも単純な作品しか作れなくて、先生に笑われたり。

 大変な合宿の話は前回書いたが、その一番キツい3日目、身も心もボロボロになって倒れている ( 昼寝している ) ところに一通のメール。

「 あなたは落選しました 」

 なに~~~。先月CDを買った時にエントリーしたミスチルのライブチケット購入権。楽しみにしてたのに。俺、こんなに頑張ってんのに。「 落選 」。あまりの不条理に思わず本当に泣きそうな自分であった。

 さて、あまりにもハードなメニューをこなしてく全日本合宿は、強くなる代わりにいくつかの副作用がある ( 他の強化選手の方々は分かりませんが )。まずはやっぱり、しばらく道着を着たくなくなる。と言うより、しばらく体を動かしたくなくなる。そうも言ってられんな、と3日目あたりで気付くんだけど。それから投げられ癖が付いてしまう。それから心が折れかけてたりして、実際に指の一本や二本折れてたりもする。そして一番困るのが、あんなに頑張ったんだから休憩も大事、なんてつい自分を甘やかしてしまう。高校時代とは違ってそれができちゃう環境なのだ。で何となく生活全体ダラダラと無駄に時間を過ごしてしまったこの何日か。それで何が困るかって、今は魔の試験期間。ダラダラしている場合ではないのだ。
 SFCは他の学部、他の大学に比べて授業出席ノルマやレポートが多いかわりに試験が少ない。テストは2、3個という人も多いが、俺の場合そうはいかない。SFCには公欠制度が無いのに、海外遠征やら合宿やらの度に週単位で授業を休んでしまっているので、テスト一発に勝負を賭けるしかない。「 授業は出なくても良いけど、試験で失敗したら知らないよ~ 」 という性質の悪い授業を多く履修しているのだ。
 今日20日までで2科目のテストを受けた。たぶん両方落としてないはず。あとは来週に5科目。村上春樹風に言う「やれやれ」状態だ。
 まだまだ先は長い。戦いは続く。

2011/01/20

慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳