第63回:ボーッ

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 ここ一週間、特に面白いことは無かった。朝起きてトレーニングして、昼寝して午後練習しての繰り返し。本当に繰り返し。自分の中で精一杯追い込んでるから、あちこち筋肉痛だし、腕も太くなったし、とにかく体はキツい。試合はないけど柔道の中での細かい目標は自分のなかで勝手にいくつもあるから、意識が下がるとかそういうことは無い。だけど、あまりにも毎日同じことの繰り返で、何となーく飽きてきてしまった。なんか面白いことないかなー、ボーッとしてしまう。
 ボーッとしながら考える。こういうのって高校の時もよくあった。特に上手くいかない時にはよく 「 何か違う競技でもやりたいな 」 なんて考えたものだ。こんな時には、相模高校時代の高橋監督との交換ノート、通称 『 柔道ノート 』 に書かれたことを思い出す。

 「 その日その日、自分の出来ることを全力でやりなさい。どうせ自分の出来ること以上のことはできないのだから。そうすれば後悔は無いし、きっと結果も付いてくる。」

 『 柔道ノート 』は3年間で7冊も書いた。読み返すといっつも上手くいかなくて悩んでいたのが分かる。「 やめたい 」と書いたこともある。「 何のためにやってるんだろう 」とか。時々怒られたりもしてる。総監督の字も登場する。3年間がどれだけ壮絶だったかよく分かる。ある意味宝物だ。

 飽きてる場合じゃないじゃん、と思いながら、今日も練習にフニャフニャと足を運ぶ。今日こそは何か新しい発見があるんじゃないか、また一つ強くなれるんじゃないか、と密かに自分に期待しながら。

2011/4/14

慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳